大腸内視鏡検査(大腸カメラ)について
大腸カメラは、肛門から内視鏡を挿入し、内視鏡に搭載された小さなカメラで直腸から盲腸までの炎症やポリープ、がんなどを調べるための検査機器です。
直接観察することで、他の検査では識別困難だった大腸の色調変化や粘膜面の変化まで観察可能で、小さなポリープも発見できます。
検査中に疑わしい部位が見つかった場合には、内視鏡で生検のための組織採取もできますし、小さなポリープを安全に切除することも可能です。
正確な診断のために不可欠な大腸内視鏡検査
大腸がんは食事やライフスタイルの欧米化に伴って増え続けている病気です。早期発見して適切な治療を行えば、日常生活やお仕事にほとんど影響なく治すこともできますが、精度の高い内視鏡検査でなければ早期発見が難しいのが現状です。
当クリニックの内視鏡検査では、直接、大腸の粘膜をくまなく観察するだけでなく、特殊な光を使ったり、100倍に拡大することでより精度が高く正確な診断を可能にしています。
当クリニックの大腸カメラ検査が選ばれる7つの理由
1経験・知識・技術により、苦しくない検査を提供
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医による確かな技術と豊富な経験をもとに、苦しくない無痛の内視鏡検査を提供しています。
最新機器と少量の鎮静剤を組み合わせることで、内視鏡検査が苦手な方、不安がある方も安心して検査を受けられるようにしています。
2楽に検査を受けられて、より精度の高い最新の内視鏡検査機器導入
がんセンターや大学病院で使用されている機器と同等の高精度な内視鏡検査機器を導入しています。
オリンパス社製の最新内視鏡システムと内視鏡スコープは、精度が高いので小さな病変も見落としにくく、検査時間を短縮できます。
また、極細のチューブがよくしなることで、曲げた際に腸へ余計な圧迫を加えないため、検査がより楽なものになっています。
3ハイビジョンモニターで精度の高い検査と治療を可能に
細部を詳細に映してくれるハイビジョンモニターは、画面が大きければそれだけ病変を見つけやすいため、内視鏡専用モニターとしては現在最大サイズのハイビジョンモニターを当クリニックでは導入しています。
角度・位置を自在に変えられるよう、天井に専用アームで取り付けることで、スムーズな検査を実現しています。
4狭帯域光観察(NBI)搭載でより精度の高い検査を実現
当クリニックの内視鏡検査機器には「狭帯域光観察(NBI)」が搭載されています。これは特殊な光を当てることで、粘膜表層の毛細血管や粘膜微細模様を強調表示できるものです。
NBIでの観察により、通常では見つけるのが難しい小さい病変も見落とすことなく診断可能です。
また、病変を100倍まで拡大する拡大内視鏡も搭載されており、良性か悪性(がん)かの判断を瞬時に行うことが可能です。
5胃と大腸の内視鏡検査を、1日で受けることができます
胃カメラと大腸カメラの検査を1日で両方受けることも可能です。日を改めて来院する必要がないので時間の節約になり、お忙しい方にもお勧めできます。検査の所要時間は、所見によっても変わりますが、それぞれ約20~30分ですので、両方を同日に受けても日帰りで十分受けることができます。
6土曜日と、月に1回の日曜日にも検査を行っています
休診日の水曜日以外、全ての平日と土曜日に検査を行っているほか、月に1回は日曜日にも検査を行っています。平日には時間を取れないという方でも、無理せず内視鏡検査を受けていただけます。
通常の内視鏡検査は予約制になっており、診療後にご予約を取っていただくほか、お電話や、直接来院の上予約いただくことも可能です。
7内視鏡による大腸ポリープ切除を日帰りで受けられます
現在では、内視鏡に関する技術やクリップ法などの止血技術の進歩によって、ポリープの切除手術は日帰りで十分行うことができるものになっています。
ただし、大腸内視鏡検査でポリープが見つかった場合、改めて別日に手術の予約をして切除するのは患者様にとって大きな負担となります。時間的な負担はもちろんですが、前日の食事制限や当日の下剤服用なども繰り返す必要があるからです。
そこで当クリニックでは、検査で大腸ポリープが発見された場合、基本的に検査と同日の内視鏡的ポリープ切除を行っています。
また、検査と切除を同日に行うことで、医療費に関しても入院治療の約3分の1と、大幅な削減を可能にしています。
より負担の少ない大腸内視鏡検査
当クリニックでは、腸に余計な負担をかけず、おなかの張りなどの不快感を大幅に低減した大腸内視鏡検査を行っています。
安全で負担の少ない軸保持短縮法
大腸内視鏡検査で生じる痛みや不快感のほとんどは、「腸が引き延ばされる」ことを原因としています。
そして、腸を引き延ばすことは、痛みや不快感だけでなく、安全性に関しても問題があります。当クリニックでは、腸を引き延ばさない軸保持短縮法という検査手法を採用しています。
おなかの張りを素早く解消する炭酸ガス
大腸内視鏡検査では、大腸を膨らませることで隅々まで観察が可能になります。
従来は空気を使って腸を膨らませていたのですが、これには検査後も長くおなかの張りが残って苦しいという問題点がありました。当クリニックでは、空気よりすばやく吸収され、呼気によって排出される炭酸ガスを使っていますので、おなかの張りが素早く解消します。たいていの場合、検査終了時には、すでにほとんど大腸内の炭酸ガスが消えています。
楽に受けられるから、軽い鎮静剤で体に優しくより安全に
軸保持短縮法での挿入で検査を行うと、大腸内視鏡検査にほとんど痛みや不快感がないため、強力な鎮静剤は必要ありません。当クリニックでは希望される患者様には、軽い鎮静剤を用いて検査を行っており、ウトウトしているうちに検査を終了することができます。もちろん、安全面には十分に配慮し、内視鏡検査の経験が豊富で熟練した院長と看護師が、呼吸・血圧などのバイタルサインをしっかりとモニタリングして検査を行っております。
鎮静剤を使用しない検査も、もちろんお選びいただけます。この際は、患者様と会話しながら検査を進めていくことができますので、丁寧で負担の少ない検査が可能になり、実際のポリープ切除の様子なども一緒に見ていただくことができます。
大腸内視鏡検査に伴う下剤の苦しさを軽減する検査食
検査自体は軸保持短縮法と炭酸ガス使用によってとても楽に受けられるようになりましたが、検査前の下剤にご不安を感じる方も多いと思います。
通常の検査では事前に2リットルもの下剤を飲む必要があります。服用が不十分な場合、残った便により小さな病変の見落としにつながる可能性があり、また腸が必要以上に膨れることがあるため余計な苦痛が生じることもあります。とはいえ、2リットルの下剤を飲むのは、かなりしんどいものです。
当クリニックでは、便に残りにくい『低残渣食』という前日の検査食を提供しています。これを食べていただくことで、検査前に服用する下剤の量を減らすことが可能です。ボリュームやメニューのバラエティも検査食として満足いただける内容ですので、下剤が苦手な方はご相談ください。
便秘がちな方は特に注意を
大腸内視鏡検査は、受ける数日前から毎日排便がなければ実施できません。便秘の時に大量の下剤を飲むことはとても危険だからです。そのため、便秘になりやすい方は、事前に便秘を解消する必要があります。使い慣れたお薬を服用するか、当クリニックで処方された薬を服用して、しっかり便秘を解消してから検査を受けましょう。
NBIでより高精度な検査を
NBIは、特殊な光を使って通常の内視鏡検査ではわからない病変を見つける機材です。当クリニックの内視鏡にはこのNBIが搭載されており、スイッチで切りかえて観察することが可能です。
早期がんは、最初に粘膜表面の毛細血管が変化します。こうした変化を強調して画像に表示するのがNBIです。
以前は色素をまいて病変をはっきりさせていたのですが刺激症状が出ることがありました。光を変えるNBIにはお身体への余計な負担がない点も大きなメリットです。
大腸カメラ検査の流れと注意点
検査前日
夕食は午後5時頃に。消化が良いものを少な目に摂ります。
検査当日
検査終了まで、飲食・服薬は禁止です。
煙草も吸わないでください。
検査直前の準備
大腸をきれいにするために、下剤2~1.5リットルを数回に分けて飲みます。
※飲む量は患者様によって異なりますので、医師にご確認ください。
検査の手順
1肩の力を抜き、リラックスしていただきます。ご希望がある場合には、鎮静剤の注射を行います。
2肛門から内視鏡を挿入し、腸を引き延ばさないようゆっくり盲腸まで進めます。
3炭酸ガスで膨らませながら、モニターに映る腸の内部を隅々まで観察します。
4検査は約20~30分で終了します。
検査後のご注意
1検査終了後、リカバリールームで横になり、休んでいただきます。
腸内に炭酸ガスが多少は残っておりますので、ガスを出してください。
2画像を詳しく精査するため、結果は後日、外来にてお伝えしています。
飲食などについて
検査中にポリープ切除などの治療がなかった場合には、1時間後から飲食可能です。
検査当日は、浴槽に漬からずシャワー程度にしてください。また、車の運転や激しい運動は避けてください。
検査終了後、ご帰宅してから気になる症状があった際には、すぐに医師にご連絡ください。そのために緊急連絡先をお伝えしています。
こんな症状があったら大腸カメラ検査をお勧めします
- 血便
- 便秘や下痢など便通の異常
- 腹痛や膨満感がある
- 貧血を指摘された
- 最近、急激に体重が減った
- 健診で便潜血検査の異常を指摘された
- 大腸ポリープや大腸がんを治療したことがある など
大腸カメラ検査が有効な消化器系の病気
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)
- 大腸憩室症(腸管内壁が一部、外側に向かって袋状に飛び出している)
- 虚血性腸炎 (血流障害で大腸粘膜に炎症や潰瘍が生じ、突然の腹痛や下痢、下血が起こる疾患) など
検査費用
1割負担 | 3割負担 | |
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大腸カメラ(大腸内視鏡) | 約2,000円 | 約6,000円 |
大腸内視鏡+ポリープ切除(1部位) | 約9,000円 | 約24,000円 |
大腸内視鏡+ポリープ切除(2部位) | 約10,000円 | 約27,000円 |
大腸内視鏡+ポリープ切除(3部位) | 約11,000円 | 約30,000円 |
※何か病変があり組織検査施行した場合は上記金額プラス組織1部位につき
約4,000円~11,000円(3割負担の方)かかります。