日帰り大腸ポリープ切除術
当クリニックでは大腸ポリープの切除を日帰り手術(内視鏡下大腸粘膜切除術)で行っています。
低侵襲で安全性が高いため日帰りで受けられますが、手術ですから術後の合併症として出血や穿孔リスクはゼロではありません。
そのため、術後は数時間、クリニック内で安静を保っていただき、経過観察を行います。また、合併症リスクを下げるために、ご帰宅後の安静、術後1週間は激しい運動や旅行、出張、飲酒などを控えていただく必要があります。
ほとんどの方が受けられる手術ですが、持病がある場合には体調や内服されているお薬などにより日帰り大腸ポリープ切除術ができない場合もあります。
大腸内視鏡検査の際に発見したポリープを切除しますが、検査自体の時間と切除を合わせた所要時間はほとんどのケースで20~30分程度です。
大腸ポリープとは
大腸ポリープは、腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに大きく分けられ、非腫瘍性ポリープはがんになる可能性がほとんどないものです。非腫瘍性ポリープには、腸炎などによる炎症性ポリープや加齢によって起こる過形成性ポリープなどがあります。
腫瘍性ポリープは、悪性の場合にはほとんどががんであり、良性の場合は大半が腺腫です。良性の腺腫である大腸ポリープは放置しているとがんになるケースが多いため、ポリープの段階で切除することは大腸がん予防につながります。
切除が必要なのは、ある程度の大きさになったもの、そして形がいびつになったものなど、がん化する可能性が高いものです。
大腸ポリープは大腸内視鏡検査で発見したその場で内視鏡的に切除することが可能です。切除したポリープが腺腫であるのか、あるいは早期のがんであるのかといったことは、回収したポリープを生検して診断します。
日帰り大腸ポリープ切除術の内容
当クリニックでは、大腸内視鏡検査の際に大腸ポリープ切除を行っています。もちろん、これは検査中に発見したポリープの切除を行うことを検査前に同意いただいた場合に限ります。
大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡のスコープを挿入し、大腸の一番奥にある盲腸まで進ませ、大腸粘膜を観察しながら内視鏡を抜いていきます。切除の同意をいただいている場合、その場でポリープを切除します。
粘膜にあるポリープを切除する際に、その下にある粘膜下層やさらに下の固有筋層を傷つけないよう、病巣の下に生理食塩水を注射して病巣をだけ上に持ち上げ、そこにスネアという針金をかけて縛って通電し、切除したポリープを回収します。痛みはなく、切除自体は5分程度で終了します。
なお、ポリープが大きい・数が多い場合などの場合には入院による手術が必要になりますので、その場では切除せず、連携病院をご紹介しています。
大腸ポリープ切除術後の注意事項
ポリープ切除後は、クリニック内のリカバリールームで休憩していただきます。経過観察を行って問題がなければ、そのままご帰宅となります。既往症の有無や状態により、ご注意いただく内容は変わりますので、下記でご紹介するものはあくまでも目安です。医師の指示をお守りください。
日帰りですが、手術ですから術後の合併症として出血や穿孔が起こる可能性はゼロではなく、そのためにいくつかお守りいただく注意点があります。
お腹の張りがほとんどない炭酸ガス送気を行っていますが、もしも術後のお腹の張りが気になるようでしたら、ガスを出すようにしてください。
食事
術後、1週間は消化しやすく、胃腸に優しいメニューを召し上がってください。香辛料などの刺激物、脂っこいもの、アルコールは控えてください。
運動
当日の運動は厳禁です。翌日より散歩程度でしたら可能ですが、ジョギング・ゴルフ・テニスなどの激しい運動や腹圧がかかる運動については、術後1週間は控えます。
入浴
翌日からシャワーは可能です。術後1週間はシャワー程度にとどめ、長風呂しないようにしてください。
水分
いつもより多めに水分を摂取してください。便秘を避けるためにも積極的な水分摂取は重要です。
出血
便に血が混じる程度でしたら特に心配はありません。ただし、大量の出血や激しい痛みがありましたら、すぐにご連絡ください。万が一に備えて緊急連絡先を事前にお伝えしておりますので、夜中でもすみやかにご連絡ください。
大腸ポリープ費用
1割負担 | 3割負担 | |
---|---|---|
大腸カメラ(大腸内視鏡) | 約2,000円 | 約6,000円 |
大腸内視鏡+ポリープ切除(1部位) | 約9,000円 | 約24,000円 |
大腸内視鏡+ポリープ切除(2部位) | 約10,000円 | 約27,000円 |
大腸内視鏡+ポリープ切除(3部位) | 約11,000円 | 約30,000円 |
※何か病変があり組織検査施行した場合は上記金額プラス組織1部位につき
約4,000円~11,000円(3割負担の方)かかります。